Here Comes Your Man

2012年9月20日 TCG全般
■答え合わせ
ラヴニカへの回帰のフルスポイラーが出た。
前回ショックランドの期待値を計算するにあたってレアリティについて適当な検討をしたのだが、その時は「コモン 121、アンコモン 60、レア 53、神話レア 15」という数字を仮定していた。実際は「コモン 101、アンコモン 80、レア 53、神話レア 15」(※サルベだとアーティファクトが1枚「?」のままだけどアンコモンとして数えている。この数字見る限りアンコモン以外とは考えづらい)だったのでまあ当たらずとも遠からずというところだろう。ただ、この枚数をどのようにアンカットシートに対して割りつけているのかは想像しづらい数字になっている。もちろんソートというものがあるからして例えばコモンのアンカットシートが1種類ということは考えづらく、実際には2種類以上のシートがあって各カードが等しい回数あらわれるようになっている筈だが、それにしても整数倍したときに 11 の倍数に近い数字にならないのだよね。まあこれ考えるだけ無駄なんであれなんだけど。
# 一応 80*3=240<242 にはなる。101*3=303<308 だとちょっと捨てる部分が多過ぎる気がする。

んでもって。一箱買うと 36 パックだから、神話レア/レアが 36 枚、アンコモンが 108 枚、コモンが 360 枚(※プレミアムカードは計算外)となる。単純にこれを種類数で割ると、
神話レア :0.3 枚
レア   :0.6 枚
アンコモン:1.3 枚
コモン  :3.6 枚
ということになる。注意したいのはアンコモンの意外な少なさで、ひと箱だと全然揃わない。まあ全部が全部欲しいアンコモンでもないだろうからこの枚数に拘っても仕方ないのだけど、「2枚出たら恵まれた方」とぐらいに思っておいた方が精神衛生上はよさそうだ。

いまのところひと箱買って、あともしかするとコモンアンコモン箱的なものを(売ってれば)買って、そこから先はシングルで揃える予定。

余談というか、微妙にずれる話だけど、日本語版のアンカットシートって英語版とは含まれる枚数が違う可能性があることに今更気づいた。前回書いたけど紙の大きさとか印刷機の大きさとかが理由だとすれば充分あり得る話だ。そうだとしても多分ソート自体は同じになるようにしているのだと思う(例えば 11*11 を 14*9-5 に並べ替えるとか)。
いや、トークン/解説カードの種類が(モノクロ氏の収集結果によると。参照→http://drk2718.diarynote.jp/201106030257239104/)いつも日本語の方が微妙に少なくて、英語版がそれこそ 110 種類ぐらいなのに対して日本語版は 90 種類前後のことが多い、というのだけが根拠なんだけど、アンカットシートに含まれる枚数が同じならここが違う意味がわからない。トークンのレアリティについてはウィザーズ社もそこまで厳密には管理していないのだとすれば、各言語において印刷に都合のいいアンカットシートの大きさで作っている可能性はあるのかな、と。
# もちろんモノクロ氏は種類を示しているだけで出現率はわからないから、この種類が即アンカットシートに含まれる枚数とは限らないが、そもそも種類数から違っている時点で「同じ並びのアンカットシートではない」ことまでは概ね言えるように思う。



M13環境分析:Not the best, but better than you ㈰
http://mimiminsu.diarynote.jp/201208161334198208/
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http://mimiminsu.diarynote.jp/201208171421505782/
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http://mimiminsu.diarynote.jp/201208241521424971/
M13色別カードランキング 白
http://mimiminsu.diarynote.jp/201208271320083087/
M13色別カードランキング 青
http://mimiminsu.diarynote.jp/201208291444317901/
M13色別カードランキング 黒
http://mimiminsu.diarynote.jp/201209041339461802/
M13色別カードランキング 赤
http://mimiminsu.diarynote.jp/201209071730218297/
M13色別カードランキング 緑 + おまけ
http://mimiminsu.diarynote.jp/201209111429339595/

あらためてとりあげるまでもないが素晴らしい記事。一応完結らしいのでまとめてみた(ツイッターによると無色のカードはサボった、とのこと)。
ドラフトなんてビタイチやらない自分でもこの記事は面白いと思う。何度か似たようなことを書いているがこのあたりの感覚は不思議だ。もっともそういうのは文章や言い回しに左右されるところが大きいのだろう。耳氏はブログも面白いです。


http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/tpc12/playerquestions
プレイヤー選手権の「プレイヤーに対する質問」の回答まとめページ(マジックに関係ない質問も多い)。これ凄く面白かった! 存在は知ってたんだけど何故か動画だと思い込んでスルーしてた。勿体ないことをした。イヴェントの性質からしてもこういうのもっと取り上げられていいし、平易とはいえ公式で和訳すべき記事だったと思う。
・好きな本はばらけていたがかぶりが2つだけあって『ハリー・ポッター』と『エンダーのゲーム』。前者はさておき後者は驚いた。キブラー氏は前々から公言してたみたいだけど。ターテンウォルド氏が『蝿の王』って言ってるのは面白ポイントで、素で好きだとしても、敢えて好きな作品に挙げているとしてもわりとアレな選択で。
・スポーツ見る人少ない(日本勢なんて誰一人ひいきのチームなし)のはなんとなくわかる気もするし不思議にも思う。カードゲームとスポーツは親和性ないけどカードゲームとスポーツ観戦はそれなりに親和性が高いようにも思えるので。
・最後の質問が「もしあなたが変異と結婚するとしてそれが表になったとき一番嫌なのはどのクリーチャーですか?」とかいうアホ質問で、まあ冷静に考えると大抵のクリーチャー嫌なんだけど、大喜利としては渡辺雄也氏の回答が一番面白いように思う。カイ・ブッディ氏のコメントを待ちたい。
このところずっとこの日記へ来る人の検索ワードの一番人気は「ラヴニカへの回帰 ショックランド」だった。その言葉で検索して来た人が皆さん例外なくあのポエム(http://drk2718.diarynote.jp/201206080128449993/)を読まされているかと思うと少し申し訳ない気にもなるんだけど、でもしょうがない。だいたい検索エンジンで検索すれば大抵は検索結果と同時にリンク先のプレヴューで数行は引用が出るだろう。それを読めば全容はわからないにしても少なくともあのトンチキポエムの気配ぐらいは察せられてしかるべきだ。ああいうのが苦手な人ならその気配を見ただけで素早く視線を次の検索結果に移していた筈だろう。それを察してもなおリンクを踏んだ人や、察することができなかった人がそれを読む羽目になるのはもう仕方のないことだと言うほかない。

ラヴニカへの回帰を1箱買うとショックランドは何枚手に入るんだろう。
というのがこのところ僕が知りたくて仕方がないことだ。なにしろ僕は可処分所得がそんなに多い方じゃないのだ。ここいくつかのエクスパンションはずっとコモン・アンコモン箱的なものと何種類かの欲しいレアだけを買うことでじっと耐え忍んできたぐらいだ。でももしかすると今回は勝負かも知れないと思っている。なにしろショックランドだ。新デュアルランドじゃなかったのは残念だけど、それでも4枚揃ってるショックランドは赤白と黒白だけ。欲しい、し、絶対使うことはわかっている。

単純な算数だ。製品情報を見ればレアリティ別の枚数は全部出ている……と思ったらいきなり躓いた。総種類数しか出ていないではないか。274 種類。ふーん。基本土地が5種類ずつあるから、実質は 249 種類になる。それがどんな風に配分されてるんだろうか。
幸いアヴァシンの帰還の配分がわかった。神話レア 15、レア 53、アンコモン 60、コモン 101 だそうだ。これで 229 種類。神話レア1に対してレア2にすると 15+53*2=121 だからそれっぽい数字になる(*)。アンコモンは各シート2枚ずつ、コモンはちょっとよくわからないが(101は素数だ)、例えばコモンが 121 種類になるとちょうど 249 種類なので中々具合がいい数字になる。多分こんなもんではなかろうか。

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(*)それっぽい数字になる
アンカットシートはどういうわけか伝統的に 121 枚とか 110 枚とかであることが多い。たぶん輪転機だか紙だかの幅とマジックのカードの横幅の兼ね合いで「横(あるいは縦)11枚」というのが決まっているのだと思うけど、詳しいことは不明。で、例えばアンコモンなら 60 種類がシートに2枚ずつ入っていて、隅の1枚は捨てるんだと思う。時々その隅の奴がパックに封入されちゃってたりする。
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ショックランドは5種類だから、121 枚のアンカットシートの中に 10 枚だ。だから1箱買うと平均3枚弱入ってることになる。思ってたよりちょっと少ない。うーん。ショックランドはもちろん人気が出るだろうけど、持っている人も多いだろうし現在の相場よりも間違いなく下げてくる。$10-15 ぐらいではないか。高く見て $20 だろう。これが3枚だと元を取った感はないかも知れない。
同じ算数だと神話レアは1箱あたり 4.5 枚弱という計算になる。この辺りも計算しつつ箱買いに踏み切るか見定めたい。

■ワールドマジックカップ
旧世界選手権のチーム戦部分だけ切り出したみたいな感じ。強豪国と見做されている国が必ずしも勝ちあがらない、生涯プロポイントが0の選手が結構出ている、その辺りに起因する微妙な盛り上がらなさ。
まあ一発勝負の予選で4人中3人決めて、たった7回戦の初日で半数以上の国をカットオフするようなフォーマットならこんなようなことが起きる確率は低くないだろう。フォーマットが変わらなければ多分毎年似たようなことになる。
もちろんこれは後出しで言っているし、代表選手を貶める心算はない。一発勝負の予選を勝ち上がることだってめちゃめちゃ凄いのはわかっている(おれには絶対無理だ——そもそも予選にも出られないけど、能力的に無理だとわかっている。どんなに鍛えても 100m を 11 秒台で走れないのと同じように)。日本代表はあれほどのアクシデントにもかかわらず会場に向かうことを選んでテーブルについた。それだけでも尊敬に値すると思う。
でも、それはそれとして、今回のトップ8見て「これはワールドカップのトップ8にふさわしい国々だな」って思った人居るんだろうか。
もともと短期決戦ならこんなもんだろう、ぐらいに割り切ってる人が多いのかな。
繰り返すが、トップ8に残った国やその代表選手を貶める心算はない。これはこれで大会の方向性としてはありかも知れないとも思う。

■ピーキー
自分がこの言葉を知ったのは『BREAK-AGE』で、確かビリーが「マニア向けのめっちゃバランスが悪いVPっちゅうこっちゃ」という説明をする場面があったと思う(ということはカプリコーンのことか?)(追記-2012-08-28:あってた。カプリコーンについて長船が「本家デッガーから鳴り物入りで発売されたたいへんピーキーなVPでね」みたいな説明をしているコマの背景でビリーが上記の科白を発している。)。年代的には『AKIRA』を先に読んでいるはずなのだがそちらは全く憶えていない。
そんなわけで我が家(というか兄弟間)ではたとえば初代スト2のザンギエフみたいなキャラを「ピーキー」という、ような使い方をしていた。あと『F-ZERO X』の EAD とか。今思うと微妙に合っていない感もある。
よく使う辞書では「やつれた、やせた」「具合の悪い、病気の」という意味が最初に出ているのでそこから派生したのだと思っていた。

■前回のポエム
最後にスターターについて補足したのだが、フィクションなんだから当然知ってる奴(この場合はトシミツ)を登場させるのが正解ではある。が、抹殺者の回でトシミツの視点にしてしまったので今回変えざるを得なかった。この2回のどちらかでサキモトの視点にしたかったからだ。もっと書けばオオジマがサキモトの後輩であることを明示したかったから。
解決方法としてはもうひとつ「オオジマかサキモトが知っていることにする」というのがあるのだけど、長い目で見るとやらない方がいい。たったひとつの知識だけど、知っている/知らないが問われる場面を描くことは殆どないわけで、その数少ない機会で設定の逆を書いてしまうことはほとんど設定の変更に等しいから。
フィクションという形式だとこんな風に情報として伝えたいことと作劇上の都合とがコンフリクトすることがあってめんどくさい。そのめんどくささが面白いところもあるのだけど、大抵は単純にめんどくさい。

『フンタ』は政治を題材としたボードゲーム。「学生が政府の弾圧を非難する文書を流布する」というカードがあるのだけど、そのカードにはビラを持った学生が警察官にぶん殴られてるイラストと「効果なし」の一文しか書かれておらず、当時はなんじゃこりゃと思ったものだった。今思うに学生がそんな文書撒いたところでそりゃ効果無しですよねとしか言いようがないし、ある意味ではゲームの雰囲気をあらわしてもいる。ちなみにこのカードとは別に影響力カードに「学生」というのがあって、そっちは一応数字あったと思う(大したことはないんだけど)。
2chd で2回だけ対戦したことがあって、そのうち1回はこっちがランデス向こうがデザイアだった。1本取って2本目も次のターン殴れば勝ちまで行ったが煮えたぎる歌を3枚持たれてて負けた。デザイアからデザイアがめくれた時に少し申し訳なさそうにしていたのが印象に残っている。結局3本目も取られて負けた。

たぶんおれより若かった筈だ。無念がいかほどのものか自分には想像もつかない。

さようなら。
あの対戦のことをちょっとだけ意識して憶えておこうと思う。

《遥か見》のフレイバーテキストの件、つづき。

先日のエントリを書く際に思い出してあいしゃさんの記事
【翻訳】大都市生活【ラヴニカ】: レイモス信者の日記 埼玉編
http://aisha.blog.so-net.ne.jp/2012-04-22
を思い出して読んでいたところ、途中にまさに《遥か見》のフレイバーテキストが登場した。ところがそこでの訳がこうなっていた。
この都市は本当に巨大なんだろう。あちこちを旅して様々な物を見てきたけれど、建物が崩れている場所は見たことがないよ。

これは前回のどちらとも違う訳だ(前の文がラヴニカ版と同じで、後の文が M13 と同じ)。ではあいしゃさんがご自分で訳したのか、と思いコメント欄で訊いてみたところ、単に
http://magiccards.info/rav/jp/163.html
から引用しただけだとおっしゃる。リンク先を見ると確かにこのような訳になっている。さらに不思議に思い gatherer で見てみる。と。
http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?printed=true&multiverseid=112594
上の訳がそのまま出てくるではないか。つまり刷られているカードとデータベース内で文章が違ってしまっているのだ。もしかすると土壇場でなんらかの差替えがあって、印刷所に行くデータとデータベースに格納するデータが違うものになってしまったりしたのかな、などと想像するが、事情はさておきこのようなことがあるのだとわかったのはちょっと面白い。逆に言うと、古いカードのフレイバーテキストを調べようとする時などはちょっと気をつけなければならないかなとも思う。ちなみに《遥か見》に関しては、Whisper Card Data Base には印刷されたものと同じフレイバーテキストが収録されていた。(ということは Whisper では手入力してるのか……とかまた要らぬ想像がふくらむが今日のところはここまで)


《外科的摘出》で墓地のカードを追放するのは任意で、追放すると言わなかったためにそのゲームに負けた、という話を最近読んだ。
別のところで、《外科的摘出》で墓地のカードを見つけないことができる、公開領域のカードを「見つかりませんでした」できるとは知らなかった、という記述を見かけた。多分それは誤解だと思い、まずカード・テキストを調べてみた。
外科的摘出/Surgical Extraction
(黒/Φ)
インスタント
いずれかの墓地にある基本土地カードでないカード1枚を対象として選ぶ。それのオーナーの墓地と手札とライブラリーから、そのカードと同じ名前のカードを望む枚数だけ探し、それらを追放する。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。

《外科的摘出》はこの通り「望む枚数だけ探」す効果であるから、たとえば0枚でもいい。つまり探さないことを選べることになる。
……とここまで考えてから、0枚探す場合例えばライブラリは見られるんだろうか、と考えてしまった。逆に、探す心算でライブラリを見た場合、見つけられなかったら他の領域で必ず見つけなければいけないだろうか? なんてことを考えてしまった。
わからなくなったので、今度は総合ルールを見てみる。
701.15. 探す/Search

701.15a カードをある領域から探すとは、その領域にあるすべてのカードを見て(非公開領域であっても)、条件に合うカードを見つけるということを意味する。

「調べて、見つける」までがマジック用語で言う「探す」なのだ。考えてみると、全部見てみるまではあるかないかもわからないわけだから、「1枚探します」などと事前に言える筈がない。探すことを試みて、最終的に何枚見つけたかで初めて何枚探したが決まるわけだ。
701.15b 特定のカード・タイプ、色などの何らかの条件を満たすカードを非公開領域から探す必要がある場合、存在してもそのすべてを見つける必要はない。

例:プレイヤーが「アーティファクト1つを対象とし、それを追放する。それのコントローラーの墓地と手札とライブラリーから、そのアーティファクトと同じカード名を持つカードをすべて探し、それらを追放する。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。」という効果を持つ《木っ端みじん》を唱え、対象として《吠えたける鉱山》を選んだ。《吠えたける鉱山》のコントローラーの墓地にはもう1枚の《吠えたける鉱山》があり、ライブラリーにはあと2枚《吠えたける鉱山》がある。《木っ端みじん》のコントローラーは墓地にある《吠えたける鉱山》を無視することはできないが、ライブラリーの中にある《吠えたける鉱山》は2枚とも見つけても、1枚だけでも、見つけなくてもよい。

一方でこのような例が書かれている。つまり一般的には、非公開領域以外の領域にある、条件を満たすカードは「見つけない」ことができない。冒頭で見た記述はやはり誤解だ。
最後に gatherer でルーリングを確認しておく。
http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?printed=true&multiverseid=233041
"Any number of cards" means just that. If you wish, you can choose to leave some or all of the cards with the same name as the targeted card, including that card, in the zone they’re in.

訳:「望む枚数だけ」というのはつまり以下の通り。もし望むなら、対象となったカードと同じ名前のカードを一部もしくは全て、対象となったカード自身も含めて、追放せずに元の領域にそのまま残してもよい。
なるほど、確かにこのテキストだと対象自身も含めて残すことができる。逆に言うと、対象にとったカードですら、追放することを選択しなければ追放せずに解決されてしまうということだ。同種の、あるいは似た効果のカード(《頭蓋の摘出》《記憶殺し》《根絶》)などはどれも全て追放するというテキストを持っているので、ますます注意しなければならない。直感的な挙動に反しているので、その意味では微妙に筋の悪いデザインであるようにも思う。

雑記

2012年7月5日 TCG全般

第67回:渡辺雄也のデッキ構築劇場・約束された勝利のデッキ | マジック・ザ・ギャザリング
http://mtg-jp.com/reading/gekijo/003525/
この記事は面白かった。あるデッキにたどり着くまでの思考/試行の過程は読んでいるだけで面白い。構築劇場の枠に限らず、大きな大会の後には時々やって欲しい。特にライター経験のない人が書いたら面白いと思うのだが、流石に編集の負担が大きすぎるか。
半ば後出しだけど、清水氏のバルセロナの記事もこんな感じでやれば面白かったんじゃないかな、というのがちょっと前のエントリで伝えたかったこと。


USA Legacy Express vol.4 -SCGO Indianapolis, Detroit- | happymtg.com
http://www.happymtg.com/column/usa-legacy-express/7080/
毎回紹介してるしここ読むような人は向こうを先に読んでると思うけどそれでも紹介。今回はインタヴュー多目でコラムの構成としても目先が変わっているのがよかった。どうしても同じような形式で毎回続くと同じように面白かったとしても読んでいる側は多少倦むところはある(おれだけかも知れませんが)ので、こういうことができるのは書き手として非凡と思う。面白いです。


殻使いのMTGメタゲーム考察 -- MOノススメと主要デッキのMOでの価格 2012年度版
http://magicxeno.diarynote.jp/201206212107376465/
殻使いのMTGメタゲーム考察 -- MOノススメ特別編 〜MOでお金をかけずに遊ぶには〜
http://magicxeno.diarynote.jp/201206271845498726/
何度か書いてきた通り MO はやってないし今後もやることはないと思うけど、それはそれとしてこの記事は面白かった。DN にも MO をやっている人は多いのでどういう世界なのかは垣間見えるけど、こんな風に丁寧に見通しを示してくれて、さらに具体的に金額まで提示してくれる記事は読んだことがなかったので実に楽しかった。記事の趣旨からすれば自分は完全に対象外であろうからそこは申し訳ないと思うのだけど。
■海外通販の罠
CFB にカード注文する

頼むの忘れてたカードあったことに翌日気付く

FAQ を見たら発送前なら別で注文して同梱してくれって通信欄に書けば間に合ったら同梱して送って送料分の差額は refund するぜって書いてある

その日のうちに注文(最初の注文からおよそ 24 時間後)

その翌日「発送したぜ」ってメールが2通届く

ちなみに2日差で届きました。

--
おいといて、今回 Slightly Played って状態のカードをいくつか注文してみたのだけど、個人的にはまったく気にならない状態で、これだったら安い方が有難い。他の人がどうだかは知らないけど、自分の場合はある程度までなら状態悪くてもニアミントと殆ど変わらない気分で使えて、あるレベルを下回るとがくんと満足度が落ちる。明確に閾値がある。そして閾値の水準はそんなに高くない。自分のそういう嗜好は意識しておいてお店の表示とすり合わせておくとストレスとコストを軽減できるだろうと思う。

■自分をあらわす1枚
先日実家に帰ってカード漁ってたら居合わせた弟と昔のカードの話になって、その時に「《国境巡回兵/Border Patrol(JUD)》好きだったよね」みたいなことを言われた。正直身に憶えが無かったのだが当時やってた OTJ のシールドでおれがよく入れてたらしい。まるっきり駄目なカードでもないのだがマナレシオがいくらなんでも低いし警戒も殆ど意味がない。仕方無しに入ることはあっても好んで使ってたとしたら結構頭おかしいと思う。
ということがあったばかりだったので、M13 に入るこのカードを見てハニワ顔になってしまった。
守護ライオン    (4)(白)
クリーチャー - 猫    コモン
警戒
1/6

シンクロニシティを通り越してなんかの呪いかと思うレベル。
国境巡回兵はこちら。→http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?printed=false&multiverseid=34201

■9マナは遠すぎる
bunさんのタイトルを見て「えっと、ハリイ・ペケルマンだっけ……?」と反射的に思ったのだが違った。ハリイ・ケメルマンだった。この間違いをするのが人生で少なくとも四度目ぐらいで、どういうわけかどうしても正しい方を憶えられない。
元ネタの方は以前読んだときに「普通に面白いけどそこまで名作かなあ」という感想を抱いたのだが、ミステリ好きの友人によると「業界をあげて褒めることになってる作品だ」ということだったので、自分の中では勝手に SF 界における「冷たい方程式」みたいなもんなのだな、という理解になっている。正しいかどうかは知らない。


《遥か見》のフレイバーテキストの訳が変わっている。
原文はこうだ。これは変わっていない。
"How truly vast this city must be, that I have traveled so far and seen so much, yet never once found the place where the buildings fail."
ラヴニカの時はこの訳。
この都市は本当に巨大なんだろう。あちこちを旅して様々な物を見てきたけれど、途切れる場所は見たことがないよ。

今回はこの訳。
この都市は本当になんて巨大なんだろう。あちこちを旅して様々な物を見てきたけれど、建物が崩れている場所は見たことがないよ。

fail の訳としては「途切れる」も「崩れる」もないのだけど、文章全体の意味を考えると「途切れる」の方が正しい文意を反映しているように思える。ラヴニカというのはそういう世界ではなかっただろうか。惑星全体を文明が従えてしまった世界。この旅人は文字通り「途切れる場所は見たことがない」のだ。逆に、人間に見捨てられた場所を自然が取り戻しにかかっている描写はいくつかのカードにあった筈だ。何故わざわざ変えてしまったのだろう。もちろんこれは基本セットであってラヴニカのカードではないのだが、だからと言ってこの変更を行う理由は解せない。
ただ「建物が」を補うのはよいと思う。前の訳だと二文目の主語も(非明示的に)「この都市」になっているのだけど、少しわかりづらい。「建物」としておいた方が、より人工物が切れ目無く続いているイメージを与えることができる。
「なんて」はあってもなくてもよい。個人的には「本当になんて 〜 だろう」というのはいかにも英文直訳の口調という気がするが、まあかくいうおれもそういう訳しょっちゅうしてるし、不適切な訳では全然ない。

でむぱまじっく -- バルサふりかえり
http://shimichin.diarynote.jp/201205172036191693/
今更だけど読んでいなかったので。これ公式の前回の記事半端な構成にせずに番外編にしてこっち一本で書いたらよかったのでは。広い意味でこれも「デッキ構築」であろうし普通に面白かったし。「いつも道化っぽい記事書いてるけどちゃんと理路を持ったデッキ構築もするし大きな大会で結果も残したよ」っていうのは主な読者層に対していいアピールになったのではないかと思う。
で、でもまあそれって編集側の仕事で、編集者はそういうハンドリングしてあげた方がいいんじゃないだろうか。清水氏は(失礼ながら)そういうセルフプロデュースあまり上手とは思えないだけに尚更。


naotaの日記 -- [考察]思案に関する考察
http://naotar.diarynote.jp/201205231419288803/
naotaの日記 -- [考察]イニストラード環境から見る新しいコントロールの形
http://naotar.diarynote.jp/201205271805441079/
こちらも(書かれた時期に対して)今更ながら。上の記事のコメント欄で書いてらっしゃる方がいるのだが、考察記事というのは内容もさることながら読者の思考のとっかかりにもなるという側面があって、マジックってゲームではそっちの方が大事なんじゃないかなと思ったりする。下の記事はデッキ分類論にもつながりそうな内容を含んでいてそこも面白かった。


なかしゅー世界一周2012・第12回:ポーカーの世界にマジックを見る
http://mtg-jp.com/reading/variety/003391/
昔「ウィザーズはマジックをポーカーみたいにしたかったんだと思う」って書いたことがある(→http://drk2718.diarynote.jp/201103230107328442/)んだけど、この記事を読んでやっぱりそうだったんだなと再確認した。そして、やっぱりこうはなれないよね、とも。
あとポーカーの賞金ってステークス制だったのか。そんな基本的なことも知らなかった。


第65回:高橋純也のデッキ構築劇場・スタンダードデッキ構築概論1
http://mtg-jp.com/reading/gekijo/003403/
高橋純也氏が記事を書いていた。意外と変なデッキ作ってた。普通に面白かったのだが自分の中で高橋氏の記事に対するハードルが異常に上がっていて「いやでももっとやれる人の筈」とか思ってしまった。次回以降も楽しみ。


USA Legacy Express vol.3 -SCGO Columbus, Worcester-
http://www.happymtg.com/column/usa-legacy-express/6754/
連載早くも3回目。この分量を隔週で書くのはかなり大変だと思うのだが、その上今回は本人も参加して簡易レポートまでついているという充実ぶり。毎度ながら面白かった。しかしレガシーのデッキ分類ってほんと悩ましいところだ。


すっげえカウンタ回った。このブログ史上2位。
殆どの翻訳よりも前回の記事の方が人が来る。まあそういうものであろうと思う。
ゆっ -- WMCQ大阪うんこレポ
http://31634.diarynote.jp/201206171142512411/
5ばさんブログ : ワールドマジックカップ大阪予選5-3
http://blog.livedoor.jp/gobasan/archives/6323032.html

ネット見て回ってると八朔氏(=5ばさん氏)が痛い、みたいな評価が多いのだが、別にこの件については悪いことはなにもしていないと思う。その場に居なかった以上どんな態度で言ったのかとかチェックの後どんな振る舞いをしたのかとかはわからないのでその辺りの判断は保留するが、「意外なカードが相手のデッキから出てきたときにデッキリストの確認を要求する」こと自体はルールの範囲内というかむしろ当然の権利だ。

むろんその要求は「あなたイカサマしてませんよね?」という色彩を帯びることは否めない。だけど、こういう時にチェックできないんだったらなんのためにデッキリストなんて登録してるんだ。
そりゃお互い紳士的にプレイして相手を疑わず不正もなく気持ちよくプレイできれば理想だろう。でも全員にそれを期待するにはマジックの大会には多くのものがかかりすぎているし人の心は弱過ぎる。不正からマジック全体を守るためにしちめんどくさいフロアルールやデッキリストってのはあるのであって、その運用の上で時には潔白な人に迷惑がかかることがあるのは避けがたいことだ。

いや、フィンケル氏かっこよかったよ。かくありたいもんだよ。

でもそれとこれとは違う。理想が実現されるべきだからと言ってルールが要らないってことにはならない。そしてそのルールは行使されるのに困難が伴っては意味がない。当然の権利の行使を「ジャッジキル狙い」とか煽ってしまうことと、それが受け容れられてしまうことは実はとても危険だと思うのだ。それは極端に言えばイカサマ師に付け入る隙をわざわざ与えてる行為に他ならない。煽ってる人や煽りに賛同してる人はそれを理解しているんだろうか。理解しているのならおれが言うべきことは何も無いが、理解できていないのであれば少しだけ考えてみて欲しい。

ゲイリー・ワイズはなんて言ってたんだっけ?

Wise Words -- 武装せよ!
http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010713a,,ja
対戦相手のメイン・デッキに、例えば防御円のような、お前のデッキへの対抗カードが入っていた場合は、ジャッジにデッキ・チェックを求めることを躊躇するな。

この件に関しては不正はなかった。しかし上で書いた通りルールの運用上ときには潔白な人に迷惑がかかることもある。そんなときはすみませんの一言ぐらいはあっていいとは思う。マジックはコミュニケーションゲームなのだから。が、それはそれとしてチェックを要求すること自体は全く正当なのだからあとは胸を張っていていいし周りから叩かれるようなことではない。他のプレイヤーたちが似たような状況に遭った時に、デッキチェックを要求するのをためらうようなことが起きて欲しくないと思っている。


エンジョイマジック!


追記:らぐ氏がこの件についてもう一本エントリを書いているのでこちらも参照されたし。
http://31634.diarynote.jp/201206201318561247/
■新デュアルランドは来るのか?
Scavenger’s High -- M13レア土地予想
http://archon.diarynote.jp/201206052246499639/
All will be MIMIMI -- 新規デュアルランド
http://mimimi1987.diarynote.jp/201206071259125137/
前回のエントリ(ポエム)ではラヴニカへの回帰で新デュアルランドが来るのではないかというねたを書いたのだけど自分の個人的な考えもだいたいあれの通り。ただそれはそれとしてこういう予想を見るのは楽しいし、自分にはこういう創造力は全くないので感心する。面白いです。どれかひとつほんとに来るんじゃないでしょうか。


Magic The Beijing -- 中国とMTG(1)
http://luckyshoot.diarynote.jp/201206061831251607/
Magic The Beijing -- 中国とMTG(2)
http://luckyshoot.diarynote.jp/201206080222504988/
先日 MTG Switzerland のことを書いたタイミングでこんなブログを見つけた。あまりマジックが盛んとか強豪国というイメージはないけど、それでも中国語版は結構前から刷られ続けている。そんなお隣の国のマジック事情。大変興味深く面白い。続きが素で楽しみ。
そういえばシンガポールのマジックショップの記事を書いてる方もいらっしゃるような。


日記が楽しく書ける日まで -- 2008年以前の画像データについて
http://webmaster.diarynote.jp/201206070021108520/
古い画像消えてるの時々見るなーと思ってたら DN の不具合だったらしい。まあ気長に待とう。先日リンク貼った testing さんのメタゲーム・クロックの記事とか画像ないと知らない人には意味わからないしどうしたものかと思っては居たのだが。
DN の機能が乏しいのは長い目で見るとやはり心配材料ではある。特にインポート/エクスポートができないのは厳しい。なにかタイミングがあればあんまりログが溜まらないうちに移転した方がいいのかなとは漠然と思っている。MTG コミュニティは失うには惜しいのだが……。

八十岡 翔太『PTバルセロナレポート』 - MTGシングルカード通販 たるも.com
http://www.tarumo.com/page/59
言葉がないというか、環境理解度が常人と違いすぎる。9-0-1 は構築に限れば全参加者中最高の成績だった(30 点は居なくて、28 点がひとり、27 点がふたり)。2009 年以降のプロツアー(※世界選手権は調べていない)で構築で 18 点以上取れなかったのが1回だけ、というのは並外れた成績であると思う。


ネタ蒔き時の徒然草 -- 後手有利説
http://43458.diarynote.jp/201205300112073626/
マジックの歴史開闢以来半ば当然とされてきた「先手有利説」が、ここ数年では「シールドなら基本後手」が当たり前になり、とうとう構築でもデッキやマッチアップ次第では、という話が出始めつつあるようだ。おそらく一筋縄では行かない話で、検証も中々難しく、あとプレイヤーの好みや得意不得意も絡んでくる話になる(「先手の展開が得意」というプレイヤーとか、その逆とか、ぜったい居ると思う)ので、先に予見しておけば絶対結論は出ない。でも、考えることには意義があるし面白い。


http://boardgamegeek.com/images/boardgame/124742/android-netrunner
BoardGameGeek の『Android: Netrunner』のイメージギャラリー。画像が発表されてるカードを見ながらみんなでキャッキャウフフしている模様。すげー楽しそー。しかし如何せん 15 年も経ってるのでみんな流石に忘れてるのか、「アイスブレーカのストレングスって一度上げたらランの間はそのままなんだっけ、それともエンカウントごとに元に戻るんだっけ……?」とか聞いてる奴が居たりして(※元に戻ります)。こういうの見てるとそれだけで楽しくなる。前回の記事の末尾で「発表されてるのは全部新カード」と書いたのだが、ここ見てたらどうも間違っていたらしいことも判明したのでお詫びして訂正申しあげます。


USA Legacy Express vol.2 -SCGO Orlando, Nashville-
http://www.happymtg.com/column/usa-legacy-express/6542/
早くも第2回! 隔週連載も決まったとのことで大変めでたい限りです。

おれみたいにトーナメント出ない奴がなんでこの手の記事面白いと思うかというのは以前から時々考えている。昔誰だったか——...so what? のはりのたくいち氏だったと思うのだが——が「自分ではそんなにやらないけどトップクラスの試合は結構楽しんでデッキや結果をチェックしたりする層が一定の割合居る。野球に例えれば、自分でやるのはせいぜい草野球程度だけどプロ野球の試合は熱心に見る人が珍しくないように。」というようなことを書いていて、とても納得したのを憶えているのだけど、大雑把にはそういうことなのだろう。で、こういう層は可視化されづらい(なんたってトーナメント出ないからね)けど多分わりとお金持ってて、ちょっと「よし久々にデッキ組んじゃうか」とかなるとほいほいカード買ったりする、みたいなところがあると思う。この層にどういう記事がヒットするのかわからないけど、アプローチする意味はたぶん大いにある。
■ウルザトロンを割る
助けて!!テンマ!!俺のセラのアバターがどんどんおっきくなるよ!! -- 【MTG】際でどのトロン割ったらええねん!!〜考察〜【モダン的な話】
http://serraavatar2020.diarynote.jp/201205130128579501/
ウルザトロンをどれから割るべきか、の話。この考察はシンプルだけど奥が深くて、自分では考えるのも実践するのもからきし駄目だけど凄く好きな話題だったりする。3種類が対称であったとしても面白いかけひきだろうけど、「1種類だけ3マナにする」というたったそれだけのことで多分倍ぐらいの深みが生じてるからガーフィールド博士ほんと天才だと思う。

ズヴィ(*1)も昔これについて書いてた。こっちの記事も好き。
ウルザトロン的心理——心理戦を理論的に乗り切る方法
http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/product/20050810/index.html

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(*1) ズヴィ
Zvi Mowshowitz。殿堂プレイヤー。PT シカゴニューヨーク 99 でトップ8に残った時「おまえはテレビ映りが悪いから着替えろ。あと髪も切れ」と言われて費用ウィザーズ持ちで服一式買ってもらって髪も切って髭まで剃ってもらったというエピソードを持つ。個人的には「その服を買う合間の晩飯にはきっちりピザを食べていた」ってところが好き。
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■マジックにおける運
ポリスの思考手帖 -- 勝つことが好きな人々へ
http://police.diarynote.jp/201205221657151463/
目に見える細部の運に一喜一憂するのは意味がないし、表明の仕方次第では相手に失礼にあたる、という話。面白いしいい記事。
マジックってゲームからは運の要素は切っても切れなくて、そして運ってのは理不尽なものだ。運が理不尽なことは誰にも変えられないけれど、自分の中で上手くつきあったり、飼い馴らしたりすることはできる。長い目で見ればそれは結構重要なことなのだと思う。あと対戦相手に敬意を払うべきなのはゲーム中だけじゃなくて、レポートや日記的なものにもあてはまる。それこそ当人が読むかも知れないものなのだし、かりにそうでなかったとしても当たり前のことだ。
エンジョイマジック!

■太平洋の向こうから
USA Legacy Express vol.1 -SCGO Providence- | happymtg.com
http://www.happymtg.com/column/usa-legacy-express/6177/
スターシティゲームズオープンシリーズ、SCGO プロヴィデンスのレガシー部門トップ8デッキ解説。面白かった。デッキリストだけならもちろん誰でも見られるんだけど、そこに一言あると自分のような素人にとっては全然違う。あと、現地に住んでいる人が伝えてくれる情報ってなにか当地の空気みたいなものも伝わってくるようなところがあって、そこもよかった(「ヘイトベアー」の話とか)。昔スイス在住の方がやってた「MTG Switzerland」ってブログが好きだったんだけど、それが好きだったのと同じ感じ。
大会自体が「シリーズ」なのでこの記事も継続してくれるといいな。

MTG Switzerland
http://diarynote.jp/d/2844120120314151202
とっくの昔に削除済。diarynoteだったのか……。

例のジョニー、ティミー、スパイク/メルヴィン、ヴォーソスという分類で自分がどれに入るのだろうとずっと悩んできたのだが、先日いきなり「いやおれどう考えてもティミーじゃん」という結論が出てしまった。なぜ悩んでいたのか自分でもさっぱりわからないが、大抵の人は自分がティミーであると認めるのは恥ずかしいものだし、それで無意識のうちに目を背けてきたということなのだろう。実際これ書いててもちょっと恥ずかしい。でも結論は変わりようがないのでこれからはそれを受け入れて生きていきます。というか受け入れようが受け入れまいがおれの人生に殆ど一切影響なくはある。ピュアティミーだ文句あるか。


taku さんが LSV のアヴァシンの帰還カードレヴューを延々と訳していらして毎回楽しみに読んでいる。全部訳すとなると相当な長丁場の筈でかなり大変なことと思うがなんとか完走してほしい。自分の経験から言えばやはりコメントをつけてもらえるのがシンプルだけどとても励みになると思う。ので、コメントするタイミングをうかがっていたのだが、初コメントで訳への疑問を提示してしまってそれに返答がなくて今ちょっと血の気が引いているところ。うう。気を悪くされたのでしたらほんとにすみません。


happymtg.com -- 工藤耕一のレガシーユニット概論 第1回 新構築論 ユニットとは?
http://www.happymtg.com/column/kudo01/6258/
これは面白い記事。タイトルが「構築論」となっている通り、「ユニット」の組み合わせでデッキを構築する、みたいな話になっていくんだと思うんだけど、まずは既存のデッキをユニットに解体するところから。そのつかみとしてデッキ分類の話から入るのも上手い。みんなデッキ分類論大好きだからね。ともあれ次回以降も楽しみにしています。

フローレス分類を 00 年代中盤にアップデートしたものが「メタゲーム・クロック」だと認識しているのだが、考え方としてはこれもいささか古いのだろうか。レガシーみたいにカードプールが広いフォーマットだと、全体的なカードパワーが向上することによってデッキ全体ではなくて部分に対する相性が生じてくる、みたいなことなのかな。

closet belief 2 -- Metagame Clock.
http://74598.diarynote.jp/200707241038560000/
MTG覚書:メタゲームクロック理論の検証
http://blog.livedoor.jp/thmt/archives/50401425.html
少し前になるけど、
なぜ一銭にもならないのに英文記事を翻訳して公開してるのかっていうと、背景世界はこんなにも萌えるっていうのを一人でも多くに知ってもらって仲間を増やしたいという私欲でやってるからだよ!
http://twitter.com/#!/sanagi_byorori/status/191022503160844289

と蛹氏がツイッターで書いてらっしゃって、なるほど明確な目的をお持ちなのだなーと思い感心していたのだが、先日 re-giant さんが
このブログは、あくまで「日本語の公式サイトが手を回しきれず訳されていない(でもぜひ日本のMTGプレイヤーに読んでもらいたい)コラム」を見つけてはこっそり訳す、という立ち位置にありたいと思ってる。
http://regiant.diarynote.jp/201205072146003950/

と書いていらした。それぞれに違ったスタンスだがどちらも理解はできる。でも自分とはやはり違うな、とまで考えてからふとあらためて思った。

おれは、なんで訳してるんだろうな。

これまで訳してきた記事はわりととりとめがない。左のリンクから辿れるだけでも、カード・デザインの話、誰得ズヴィ Q&A、デッキ昔話、PV のプレイング論、《真面目な身代わり》リリース時のプレヴュー、といった具合だ。自分の中の指針として「賞味期限の長い記事を訳そう」というのは一応あるのだが、その割にはプレヴュー記事を訳したりもしている。
書かれていることを知りたいとか、知らせたいとかは、たぶんあんまりない。知りたいだけなら自分で読めば済むことだし、知らせたいならもう少し需要とかを考えると思う。

おれが翻訳をしてて楽しい/面白いと感じるのは、英語で書かれている内容にぴったりだと思える日本語を発見できた瞬間や、なにを書いているのかいまいちわからなかった文章がうんうん頭をひねっているうちに突然ぱっと理解できる瞬間だ。これが伝わるかどうかわからないが、この楽しさ/面白さ/気持ちよさはおれにとっては英文和訳でしか味わえないのだ。村上春樹式に言うなら「横のものを縦にする」ことそのものが楽しいと感じる。

だから、なぜ訳すのか、と問われたら、訳すのが面白いから、という答えに一応はなる。でも、英文ならなんでもいいのかと言われると全然そんなことなくてむしろマジック関係しか訳してないし、それを公開しているのも、賞味期限の長い記事を訳そうという指針も、読んでいる人の存在を意識している。上で「たぶんあんまりない」と書いたのはそういうことで、逆に言えばまるでないわけでもないということだ。

誰かに訊かれたわけではないので答えというわけでもないのだけど(ていうかこんなこと訊かれもしないのに書いてるの結構うざい)、今のところそんな感じ。

超今更だが神ブラ調整記録は大変面白かった。これが無料で読めるのだからありがたいことであるが、反面これだけ面白い記事がただブログに書かれて読まれるだけというのは勿体ない気もする。もちろん面白い記事が書かれて読まれることはそれだけでマジックにとってなにがしかプラスになっているわけだけど、具体的にはどこかで商売やお金につながって欲しい。
ええと、これもう少し考え進んだらあらためて書きます。


前の項と関係あるようなないような話だが個人的にはたるも.com のライター陣の顔ぶれは凄いなとずっと思っていた。浅原氏の連載が終わってしまって&高橋(純也)氏がずっと書いてなくて残念である。
高橋純也氏と彌永淳也氏には時々でいいのでどこかで記事を書いて欲しいと勝手に思っている。高橋氏の記事が面白いのは実証済だし、彌永氏はツイッターで時折呟いていることが実に興味深い。


これも結構前だが re-giant さんがターくんの話を書いていたのでそれにかこつけてカールビンソンのエントリを書いていたらいつの間にか少年キャプテンの思い出を書いていてあまつさえ『屈折リーベ』の素晴らしさを力説し始めていたので自主的に没にした。
とりあえずそのエントリで伝えたかったのは「『宇宙家族カールビンソン』の主要登場人物の多くは旅芸人の一座で、地球人コロナちゃんを育てるために断片的な知識だけで「地球人の家族」を演じているという設定があり、その中で地球人はペットってのを飼うらしい→おまえやれ→とりあえずリスという生き物だってことにしろ、みたいな流れでターくんはリスということになっている」ということだけなのでそれだけはここに書いておく。これは少年キャプテン版の設定で、『元祖』でどうだったかは失念したしアフタヌーン版がどうなっていたかはそもそも知らない。識者の方ご教示ください。


前回の日記を更新した日にカウンタが結構回って、翻訳でもないのになんでこんなに回るんだろうと思ったらストライク氏がツイッターでマローの記事を紹介してくださっていたのだった。マローの記事はこれまでの翻訳でたぶん一番カウンタの回りが悪くちょっと残念に思っていたので、あらためて注目される機会があったことは嬉しく思う。どうもありがとうございます。
ただ紹介が「高潮のさんのこの記事バケモン面白い」みたいな書かれ方をしていて、それだとなにかおれが面白いことを書いたみたいでちょっと妙な気分だった。「マローのこの記事」とか書いてもらえたらもっとよかったのになと思う。繰り返しますが、紹介してくださったことには純粋に感謝しています。
マジックの日本における公式サイトは代理店が変わったりなんだりでちょくちょく変わっていて、過去の記事を引き継いだことは一度もなかったので、古い記事は失われたり残っていてもリンクが切れていたりしているものが大半だったりする。先日あいしゃさんとツイッターで失われた記事についてのやりとりをしたのだが、いい機会なのでまとめておく。

サイドボードオンライン日本語版 (2001.01-2003.11(実質は-2003.7))
http://mogemoge.diarynote.jp/201011182154091760/
ぽま山ぽま太郎さんがリンク集を作ってくださっている。素晴らしい労作。

ホビージャパン (2003.5?-2004.12)(ウェブアーカイヴ)
http://web.archive.org/web/20041230050148/http://www.hobbyjapan.co.jp/magic/
これだけ現存しない。ウェブアーカイヴにはかなり——おそらく殆ど全部——残っているようだ。

タカラトミー (2005.1-2008.12)
http://mtg.takaratomy.co.jp/others/
単なるリンク切れ。以前一度トップページからリンクを張って欲しいという内容の要望をメッセージフォームから送ったのだけど、特に対応はされなかった。


翻訳記事であれ日本人ライターの記事であれ、過去の記事というのはマジックの持つ資産だ。権利の関係などあるのだろうが、それがいたずらに失われたり、参照できない状態にされてしまっているのは勿体ないことだと思う。
前回のエントリで書くの忘れてたが、異世界なのにヤード・ポンド法が出てくるとやはりちょっと萎える。いや、そもそも英語で書かれてるんだからそこは換算してるんだろうと理屈では思うのだが、単位になるとどういうわけか感覚的にはひっかかるのだ。なにがまずいのだろう、と考えてみるに、多分ヤード・ポンド法というのは——少なくとも日本人の感覚では——特定の文化に強く根ざしすぎているのではないか。

「呪われた刃」の別の掲示では「金貨 1000 枚」という表現が出てくる。たとえばこれを換算して「50000 ドル(※レートは適当)」とか書いたりは決してしないわけです。もちろん金貨 1000 枚というのは正確には単位ではない(かも知れない)ので換算が不要なところではあると思うが、仮にこれがイニストラードの通貨単位で表されていたら、それを換算するのはあり得ないだろう。それを日本語にする時「400 万円」とかにもしない。

逆に、特定の国や地域の文化に根ざしていない単位だとそれほど気にかからないように思う。たとえば「1時間」という単位が出てきても不自然には思わない。が、厳密に言えばこの地球で1日が 24 時間って決められてるのは多分に偶然で、他の世界でそうである保証は全然ない。その意味では「1時間」は地球の文化に根ざしている単位だと言えると思うのだけど、それはあまり問題にならないと思う。


・じゃあメートル・キログラムなら気にならないかというと、やっぱりなるんだよね。うーん。「時間」ほどにはワールドワイドな単位じゃないからか、それとも身体的感覚と強く結びついているからか。

・「金貨○枚」ってその点上手い表現で、お金の単位とかめんどくさいことを持ち出さずにだいたいの価値を想像させることができる。金貨 1000 枚は大金だよきっと。500 枚だって、多分ちょっとしたものだ。それをやっときながらレイカさんの手配書でいきなりヤード・ポンド法が出てきたので若干げんなりしたのだった。

--
この辺の話は以前書いたトールキン問題と多分密接に関係がある。まあ殆どの人は気にしないことだろうし、気にしてどうなるというものでもない。

神河物語におけるトールキン問題について
http://d.hatena.ne.jp/natroun/20101130#p1
架空世界を舞台にした話を書くときの言葉の選び方
http://d.hatena.ne.jp/natroun/20100709#p1

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Latest Development、新しい訳者が訳してる。ざっと見ただけだけど結構ちゃんとした訳だと思う(←いつもながら上から目線)。このまま訳者が変わるのか、あるいは交代で訳すのか、いずれにしてもいい方向へ向かうのではないかな。以前の記事のコメントで「あまり期待できない」と書いてしまったのだけど、少なくとも予断を下すには早過ぎたし、いささか失礼なことであった。応援している。
■ボルティモアとエドガー・アラン・ポー
ボルティモアはポーと縁深い土地であるらしく、ボルティモアに本拠地を置く NFL のチームは実に「ボルティモア・レイヴンズ」を名乗っている。マスコットは3匹のカラスで、名前はそれぞれ「エドガー」「アラン」「ポー」。
ポーの作品でも本国でずば抜けて有名なのは「大鴉」らしいので、re-giant さんのところで金曜日はカラス絡みかな、という予想をしたのだが、半分当たりで半分外れだった。というか、実際読んだことはないので Nevermore と言われてもまったくわからなかった。

■ネズミの発音
昔黒丸尚が自分の奥さんの「みゆき」という名前の発音が「Me + You + Key」だ、という説明をしていた、という話を思い出した。これはとてもいいな、と当時思ったのだけど、自分の名前には到底適用できないメソッドだった。

■レイカ・エーベルハルトさんについて
>身長5フィート5インチ
>体重110ポンド
>瞳:茶 髪:茶 やつれた外見
換算するとおおよそ 165cm/50kg なので普通にやせ過ぎ。男のオタクが設定担当でもしてるの?ってレベル。たぶん落ちぶれたことの表現でもあるのだろうが、逆にほんとにこの体重だったらピットファイターに勝つのは無理じゃろ。全体的に余計なお世話だけど、個人的にはあんまり非現実的な体重設定を見ると萎える。逆にリン・シヴィーの身長体重設定見たときはテンション上がった。こうでなくっちゃ!って思った。


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コメントするほどじゃないならつまり、ブログに書くほどでもないすね。
http://mimiminsu.diarynote.jp/201202290129554152/
MOのシャッフラー

かなり反応が遅くなってしまったが、実に興味深い報告。MO やったことないんだけど、no show ってのは「相手現れず」でいいのかな。試合が成立しなかった場合にもドローを押すと進められるってのは知らなかった。書かれている事象が事実だとすれば流石に偶然だと考えるのは殆ど時間の無駄なので(しかしそれについて延々と耳氏が偶然の可能性を極力否定しないように書いているのがまた違った意味で面白い)不具合だと決めつけて話を進めると、どうしてこんなことが起きるのかが大変不思議だ。

これが全くシャッフルされていない状態だとすれば、no show でゲームが始まらなかったことと関係があるのかな、と思えなくもない。ライブラリが最初は切らずに「積まれて」いて、ゲームが始まる瞬間にシャッフルされる、みたいな仕様だとすれば、このようにゲームが始まらずに終わってしまった場合は切られていないライブラリーが残る。

コメント欄で「一見半端に切られているように見えるがこれは『切られていない』状態なのではないか」というコメントがついていて、おそらくそれが事実に近いのかなと思う。そうだとしても
・何故先手後手を決めてからシャッフルするのか
・その仕様があるのに no show のあとドローできちゃうのまずいだろ
という2点は疑問としてはまあ残る。

システムよく知らないのでなんとも言えないが、同じくコメント欄にもあった通り状況自体は比較的簡単に再現できそうなので、誰か意欲と環境の許す方がいらしたら試してみていただけるとおれの好奇心が満たされます(ぜったい引き受けたくなくなる頼み方)。


追記:
http://wenmin0624.diarynote.jp/201203111007576224
bun さんが確認してくださいました。ありがとうございます。

検索ワーヅ

2012年2月29日 TCG全般
先日のエントリをあげた当日、「俺たちはいささかシュレディンガーの猫的でもある」という語句で検索してきている人が居た。一瞬意図がわからなかったが、先日 re-giant さんのところで見かけたコメントが思い起こされ、おれの訳がどこかのパクリじゃないか確かめようとしているのではないか、という仮説を考えついた。こんな文を偶然思いついて検索する人は多分居ないし、実際検索してみたらこのブログしか引っかからなかった。つまりこれで検索した人はこのブログからこの文をコピーして検索したのだ。

なんのために?

re-giant さんのところと同じ手合いだとしたら、あなたの訳はここの訳とそっくりですよね、と指摘するために。

まあこれは仮説に過ぎないし、おれが思いつかないだけでもっとまっとうな事情で誰かがこの文を検索したのかも知れないのだけど、もし仮説が正しいのだとしたら世の中色々な人が居るものだなと感心してしまう。期待に添えなくて申し訳ない。

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