「意外なところで判明したっぽいね」
彼が言った。「フィルターランド自体はまあ妥当なところなんだけど」
これは本物だろうか。
わたしは言いながら、ゲートウォッチの誓いに封入されるという expedition 版の《秘教の門》を表示させた。
https://twitter.com/LengthyXemit/status/673660602208747520
たぶん本物じゃないかなあ。
イラストは既出らしいけど。
https://twitter.com/Phrost_/status/673699131869765632
そこは明確にマイナスのポイントだね。往々にしてフェイクがばれるきっかけにもなる。でも、こういう実際のカードが写ってて背景まである画像でっちあげるの大変だよ。こないだの《Wastes》みたいなカード画像のデータだけの方がよっぽど偽造するの簡単だもん。
……こないだから気になってたんだけど、きみいちいちそういう検証のときの視点が偽造者寄りだよね。どうして?
失敬だなきみは。
彼は笑いながら言ってから、なぜか言い訳するように、いや、偽造者寄りとかじゃないんですよ。画像の加工とかちょっとでもやったことあればある程度わかるでしょ。絵とか文字とかは根気があればいろいろできるけど、光と影とか質感とかはくっそむずいんだよ。だからこのカードの後ろに置いてあるなにげない四つ折りの紙とかその上に落ちてる影とかは本物としか思えない。まあでも、そこは適当なカード置いて撮って、あとからカードの表面のところだけ画像はめ込めばいいのか……。
言わんとすることはわかるけど、普通の人は画像の加工とかしないよね。
そう?
…………。
なにか越えられない溝みたいなものが横たわっているような気がしたので、わたしはそれ以上は追求しないことにした。
さてこれが本物だと仮定しますと。
過去のカードにも遡って◇を適用するってことだよね。まさかフィルターランドだけ例外とも考えられないわけで。
そうだよね。彼は素直にうなずいた。だからこないだの予想は外れ。
うん。
でもあらためて考えてみると、そうじゃなくっちゃ筋が通らない気もしてくるね。色もマナ供給源もそのブロックにしか存在しなくて、その色のコストを払うためにはそのブロックの土地が必要なんだとしたら、土地タイプがないのと有色無色の違いがあるだけでまるっきり六色目だよね。それだとデザインとしてやっぱり引きこもり過ぎるのかも知れない。
ころっと考え変わったね。
まあ、最初はもともと過去のカードも全部修正するって考えてたから、もとに戻っただけ。
彼はあっさりそう言うと、手のひらの正しい使い方、などと言いながら手首をくるくる左右にねじって掌を上に向けたり下に向けたりしている。
相当多くのカードのテキスト修正しなきゃならなくなると思うけど。
わたしは言ってみたが、彼は動じなかった。
多分ウィザーズはそこは気にしないよ。彼らはそうした方がいいと思えばどんなに膨大な数のカードであっても修正する。クリーチャー・タイプがその典型だよね。それで、不要だと考えればもちろんしない。今回は必要だって認めたんだと思うよ。それに、難しいことは全然ないんだ。「マナ・プールに○いくつを加える」ってテキストだけ、その数字と同じ数の◇に置き換えればいいわけだから。実際プレイする時でも、ほとんど困ること無いんじゃないかな。
六色目を他の環境に解き放つことについては。
これも考えてみると、あくまでコストに◇を持つのは今のところOGWのカードだけだから、その意味では閉じ込められてるんだよね。他の環境のマナベースと組み合わせたときに悪さをされる可能性がなくはないけど、そこは調整してくるだろうし。危険になりうるのは「◇◇◇」みたいな、重さを無色マナの濃さだけに依存するようなコストだけだろうから。逆にそれをうまく使えば、モダンとかレガシーとかの方が強いカードっていうのも作れるかも知れない。
立て板に水だね。わたしはなんだか笑いそうになりながら言った。こないだと真逆のこと主張してるのに。
彼も苦笑いを浮かべた。おっしゃる通りですね。これじゃ詐欺師呼ばわりされても仕方ない。
こないだ自分の目が正しいと思いたいからあれが本物だって信じてる、みたいな話してたと思うけど、今回一部の説が棄却されたことでそこは揺らがないの?
うーん、もちろん考えが浅かったなとは思うけど。彼はまたしても苦笑いで、でも本物か偽物かって話だと本物寄りだと思うから。本物だって仮定でいろいろ考える方が面白いかなーとおもう。

そういえば、184種類の話だけど、続報があったね。わたしは言ってみた。
続報?
コモンが10種類増えるらしいよ。
やたらニッチな上に具体的な続報だなそれ。
うん。サム・スタッダードが書いてた。これからはドラフトで小さい方のセットを2パック開けるようになるんだけど、そうするとコモンの種類が少ないように感じられるんだってさ。「大型セットの3分の2をわずかに下回る程度」って書いてあるのが微妙なんだけど、多分 70 種類になるんじゃないかな。その少し下にも別の文脈で 70 って出てくるからね。
http://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0016151/#
訳の間違いとかではない?
彼に聞かれて初めてその可能性に思い至った。あり得ないとは言えない。
原文見てみようか。
The ten extra commons take the sets to just a little below two-thirds of the size of a large set’s common sheet.

間違ってないね。この原文だけ見ると 65 種類って思えてならないけど、これまでのセットの実数から考えると 70 なんだよな。65 だとすると残り 14 種類で、70 だとすると残り9種類か。9種類ねえ。
やっぱり、基本土地のスロットにそれ以外の土地も入るんじゃない。
わたしは言った。それこそ運命再編の時みたいに。で、そこに9種類土地が入って、《Wastes》も含めて、それが全部無色のマナを出せるんじゃない。
なるほど。じゃあ闇の隆盛みたいにそのスロット用に 80 枚のアンカットシートを想定して9種類+基本土地でアサインすればいいのか。
彼は言いながら、いつものように手元のメモ帳に書きつけ始めた。
レレレレレレアアアア
アアアアアアアアアア
アアアアアアアアアア
アアアアアア平平平平
平島島島島島沼沼沼沼
沼山山山山山森森森森
森荒荒荒荒荒荒荒荒荒
荒荒荒荒荒荒荒荒荒荒
【図】ゲートウォッチの誓い・アンカット・シート「S」(80枚分/イメージ)

これはレアが3種類、アンコモンが5種類、あと《Wastes》で9種類。アンコモンはサイクルにしてるけど、これだと出過ぎるかな。でもなんにしてもこないだのよりは随分いいね。これならまだあり得るかもって思うもんね。
でもこれって「基本土地のアンカット・シート」そのものになっちゃうか。こないだ存在を否定したはずの。
これの基本土地自体は戦乱のゼンディカーの奴で、エクスパンション・シンボルも BFZ の奴がつくはずだから、まあいいんじゃない?
てきとうだなあ。でもそうだね、いいことにしとくか。


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即時性のあるねたが続いて、消化するのが追いつかない状態。かなりおかしい。

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