あなたのマナ・プールに{◇}を加える。
2015年12月6日 ポエムガリガラク @UnrelentlessGRK 11月18日「……という意見が出ていますが如何でしょう」
まあ、コレクター番号の土地がCとLの違いがあるからフェイクっすね
https://twitter.com/UnrelentlessGRK/status/666777637096812545
彼女はスマートフォンにわざわざそのツイートを表示させて、僕に見せてくれた。
むう、それは全然気がついてなかったな。
カードの画像も見る?
彼女は一旦手元にスマートフォンを取り戻すと、手早く何回かパネルに触れて、例の流出画像とされる《Wastes》を表示させた。なるほど、左下のレアリティ表示は「C」になっている。基本土地なら「L」の筈だ。これは初歩的なミス……
……と、言ってしまいそうになる、が。
いやでも、考えようによっては、これはかえって本物っぽいと言えるのでは?
どうして?
だって、フェイカーがこの画像をでっちあげるとしたら、まあゼロから作ったりはしないだろうから BFZ の基本土地を加工すると思うんだよね。枠の形が同じだから。そしたらもともと L って入ってるはずだと思うんだよ。わざわざそれを C に変えるかな。
彼女はにやりと笑った。じゃあ、本物だとしたらどうして C になるの? 基本土地なんだよ。
うーんと、前マローが「ボルトとナット」のカード・コードの回(http://drk2718.diarynote.jp/201204142342243280/)で書いてたと思うんだけど、基本土地ってレアリティの一種で、カードコード的にはレアリティっていうのは基本的には「どのアンカットシートで刷られるか」っていうことをあらわしてる。これが実際のカードにまで適用されるかはわからないけど、でも仮にそうだとすると、カードのレアリティが L のカードってのは実は「基本土地」じゃなくて、「基本土地のアンカットシートに刷られたカード」を意味してるってことになる。これまではその二つは同じものだったから区別する意味はなかったんだけど、Wastes が加わると話が違ってくるわけだ。
ふんふん。彼女は笑みを浮かべたままうなずいてみせた。
それで、ゲートウォッチの誓いには通常の五種類の基本土地は入らない、ってのはこないだも話したよね。ということは、基本土地のアンカットシートってものがない。つまり、このセットには L っていうレアリティ自体がないことになる。こないだ話したみたいに特別のスロットがあるのか、それともそんなものはないのかわからないけど、とにかく《Wastes》の扱いとしては「基本土地だけど、コモンのスロットにアサインされて、レアリティも C になる」って考えても、そんなに不自然ではないと思う。これだけを理由にフェイクだと決めつけるのは少し早いんじゃないかな。
僕は考え考え話しながら、自分がだんだん自分の主張を信じ始めるのがわかった。奇妙な感覚だが、これまでに味わったことがないわけではない。妙な高揚感も伴っていてちょっと気持ちよくすらあった。
がんばって田んぼに水を引きましたねえ。
彼女の評価はそんな表現であらわされた。まあまあ、説得力がないわけでもないし。
そんなわけねえだろって言われればそれまでだけどね。
僕は言った。だって、コモンのシートにアサインしてもレアリティを L にすることは全然できるわけだから。昔のマローの記事とか引っ張ってきて、フットワークでかき回そうっていうのが見え見えだよね。
そこまで卑下することはないと思うよ。
彼女は少しだけ真剣な表情で言った。でも、それにしても、結構擁護するね。やっぱりいいアイデアだと思うから? 「これは本物であって欲しい」的な。
いや、ちょっと違う。本物であって欲しいのはそうなんだけど、いいアイデアだと思うからっていうよりは、これは実はすごいぜっていうのを見抜いた自分の目が本物であって欲しいと思ってるんだよ。
それ自分で言うんだ。
彼女は流石に驚いたというよりは呆れたような顔をしてみせた。
だってまあ、そうなんだよ、残念ながら。そこはごまかしたくないんだ。
じゃあ、こっちの反応としては「必死だな」でいいのね。
まあそうだね。自分でも必死だなって思うからね、ちょっと。
ふーん。
……ただ、ひとつだけ、気になってることはあって。
僕は言った。あの《Wastes》、イラストはぱっと見たときフェイクっぽいなーって思ったんだよね。なんか切り貼りっぽいっていうか、あと全体にちょっとかすんだみたいになってるのも胡麻貸しかなって感じがして。
それ本物だったらものすごい失礼なこと言ってない? 大丈夫?
いや、大丈夫じゃない。だから、ここだけの話。
コメント