原文:Prophetic Facewrecker / Mike Cannon
http://www.gatheringmagic.com/mikecannon-042814-prophetic-facewrecker/
2014-04-28

《予言の炎語り》はニクスへの旅のなかで僕が一番気に入っているカードだ。二段攻撃大好きなんだよね。その他に2つもイケてる能力がついてる上にたった3マナなんだから素晴らしいとしか言いようがない。初めてこのカードを見た時に、すぐに昔作った「ブラッドストライク」(http://www.gatheringmagic.com/mike-cannon-gatecrash-budget-standard-deck-list-02112013-bloodstrike/)ってデッキを思い出した。あれもやっぱり赤の二段攻撃持ちクリーチャーを使ってたんだ。《マルコフの刃の達人》。

あのデッキはこれまで作った中でも一二を争うほど気に入ってる。《怨恨》と《ゴーア族の乱暴者》が入ってて、《マルコフの刃の達人》を強化してでかいダメージを叩きこんで、おまけに +1/+1 カウンターがどんどん乗っていく。
ただ、《怨恨》はもう落ちちゃったし、《予言の炎語り》にはもともとトランプルがついている。だとすれば緑と組むメリットは小さい。他の二段攻撃持ちクリーチャーを使うために、今回は白赤の組み合わせにすることにした。

「オーラストライク」[M14/RTR-JOU スタンダード] マイク・キャノン

クリーチャー (18)
2:《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》
4:《威名の英雄/Fabled Hero》
4:《剣術の名手/Fencing Ace》
4:《モーギスの軍用犬/Mogis’s Warhound》
4:《予言の炎語り/Prophetic Flamespeaker》

その他の呪文 (20)
4:《神々の思し召し/Gods Willing》
4:《タイタンの力/Titan’s Strength》
4:《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
4:《天上の鎧/Ethereal Armor》
4:《向こう見ずな技術/Madcap Skills》

土地 (22)
10:《平地/Plains》
8:《山/Mountain》
4:《ボロスのギルド門/Boros Guildgate》

クリーチャー
《剣術の達人》はマナカーヴの一番下の2マナだけど、ちゃんと二段攻撃を持っている。こいつを2ターン目に戦場に置けることは、4ターンキルの必要条件だ。もちろん手札に適切なオーラが揃ってる必要はある。でも、普通に《向こう見ずな技術》か《モーギスの軍用犬》の授与をするだけで3ターン目には6点か8点入れられて、次のターンにもう1枚《向こう見ずな技術》があれば 12 点か 14 点与えられる。その上余ったマナで《神々の思し召し》で相手の除去をはじくこともできるし、《岩への繋ぎ止め》でブロッカーをどかすこともできるし、その両方すらできる。

2ターン目に置けるクリーチャーがもう少し欲しいので《アクロスの空護衛》を2枚とっている。二段攻撃持ちに比べればパワーは見劣りするけど、それでもオーラを貼ったり《神々の思し召し》を打ったりすれば +1/+1 カウンターが乗るし、マナ加速からでかいクリーチャーを出してくるようなデッキ相手には飛行が役に立つだろう。

《予言の炎語り》のトランプルはブロックする側にしてみれば悪夢みたいな能力だよね。《炎語り》をパンプアップできればブロックに差し出されたクリーチャーは殆ど死ぬし、その死さえもこいつの道を遮ることはできない。プレイヤーにダメージが入ったら、ほとんどカードを1枚引くのと同等の効果を得られる。このデッキには3マナ以下のカードしか入っていないから、めくれたカードはほとんど必ず唱えられるだろう。

《威名の英雄》は現環境の二段攻撃持ちでは一番のガチムチ野郎だ。ていっても場に出た時のパワーは2しかないけど、パンプするたびにノーコストで1ずつ上がっていく。《向こう見ずな技術》を1枚貼るだけで恐るべき 6/3 になるし、もし対戦相手がこいつを殺しに来たら《神々の思し召し》でひらりと交わしてさらに大きくなるチャンスにだってなりうる。

《モーギスの軍用犬》はクリーチャーっぽく見えるかもしれないけど、このデッキでは大抵クリーチャーじゃないんだ。もし2マナ域が他に手札にないとしても、多くの場合は授与のために温存した方がいい。授与にしてもたった1マナしか増えないのはかなりおかしいし、二段攻撃持ちに貼れれば上乗せできるダメージは2倍になる。こいつがクリーチャーになるのは対戦相手が授与先のクリーチャーをどうにかして除去できた時ぐらいだ。そうなればなったで 2/2 がただで手に入ったみたいなもんなわけだし、悪い筈がない。

その他の呪文
《向こう見ずな技術》はこのデッキのキーカードだ。たった2マナでパワーを3も上げてくれて、デッキ内のオーラの中でも一番いつ引いても強い。あんまり他では見ない回避能力もかなり強い。序盤はほぼアンブロッカブルになるし、中盤以降はブロックして殺そうと思えば殆ど2対1交換になる。さらに、チャンプブロックがすごくしづらくなるのがかなり大きい。《予言の炎語り》以外のクリーチャーで殴ってる時に特に強さを実感するだろう。

《天上の鎧》は1マナで大抵はパワーを2以上上げてくれるので、まあデッキに入れるに値する水準だと言える。先制攻撃は正直このデッキだと嬉しくないんだけど、中盤以降になってオーラが充分場に揃ってれば3〜4点はパワーを上乗せできて、それは間違いなく嬉しい。

《タイタンの力》は、対戦相手がブロッカーを決めた後で打てるコンバット・トリックだ。ブロックで1対1交換をとりにきた相手をずたずたにするもよし、追加の6点をたたきこむもよし。おまけに占術1もついてくる。《予言の炎語り》で殴ろうとしてるときなんかには特に素晴らしい。

《神々の思し召し》はクリーチャーを除去から守ってくれる。この手のデッキではとにかく除去を打たれるのは大問題なんだ。「ブラッドストライク」デッキでは《レインジャーの悪知恵》をメインに4枚積むまでかなり時間がかかっちゃったから、今回はここから始めてみた。残念ながら《神々の思し召し》では P/T は上がらないんだけど、最後の、止めの一撃を通すためにブロッカーを交わす使い方ができる。

《岩への繋ぎ止め》はたとえば《冒涜の悪魔》みたいな早いターンに出てくるでかいクリーチャーにも対処することができる。ほとんどのクリーチャーはパワーの上がった《予言の炎語り》で踏みつぶすことができるわけだけど、それでもそれ以外の対処方法が必要になる場面は往々にしてあるし、《岩への繋ぎ止め》はその役割にふさわしいカードだ。

プレイテスト -- 対青単信心
ゲーム1
相手は《雲ヒレの猛禽》からスタート。僕は《ボロスのギルド門》を置いてエンド。
相手は《猛禽》2号を出してエンド。こちらは《平地》から《剣術の達人》を唱えてターンを返した。
対戦相手は《凍結燃焼の奇魔》を唱えて猛禽2体を進化させると、2体でアタックして2点。僕は《剣術の達人》に《モーギスの軍用犬》を授与してアタック。相手はスルーして、こちらはターンエンド。
相手は《奇魔》を2回パンプしてフルアタック。5点僕に与えてターンを渡す。こちらは《達人》で攻撃するも《サイクロンの裂け目》でバウンスされる。僕は《予言の炎語り》を唱えて、ターンを返した。
向こうは《夜帷の死霊》をプレイ、2体の《雲ヒレの猛禽》を進化させると、その2体で攻撃して僕のライフは9点まで減らし、ターン終了。僕は返しのターン《向こう見ずな技術》を《予言の炎語り》に貼ってアタック。相手がスルーしたところで《タイタンの力》を打ち、止めを刺した。

ゲーム2
対戦相手は今回も《雲ヒレの猛禽》からのスタート。僕は《平地》をプレイしてターンを渡した。
《潮縛りの魔道士》が《雲ヒレの猛禽》の進化を誘発させて、殴って1点。こちらは《モーギスの軍用犬》を唱えた。
対戦相手は《凍結燃焼の奇魔》を唱えて、《猛禽》を再び進化させると、2体でアタックして4点。僕は《モーギスの軍用犬》に《モーギスの軍用犬》を授与して攻撃した。相手はブロックせず4点入り、僕はターンを渡した。
相手は《夜帷の死霊》を唱えると、また2体で殴ってきて4点。そのままターンが返ってきたので、僕はさらに《軍用犬》を授与し、6/6 で殴りかかる。相手は《凍結燃焼の奇魔》でチャンプブロックした。僕は《岩への繋ぎ止め》で《夜帷の死霊》を追放し、ターンを終えた。
次のターン、またしても2体に殴られてこちらの残りライフは7。ターンエンド。こちらは《軍用犬》でアタックするが、《急速混成》を打たれる。《軍用犬》2体がクリーチャーになって、さらに 3/3 のカエル・トカゲが出た。僕はターンを返す。
相手は《タッサの二叉槍》を唱えると、《雲ヒレの猛禽》で殴って2点削り、カードを1枚引いてエンド。僕は《向こう見ずの技術》と《天上の鎧》をカエル・トカゲに貼って、全軍で突撃した。《モーギスの軍用犬》が《潮縛りの魔道士》にブロックされて、2つ目の赤マナが出なかったため僕は《タイタンの力》を打つことができず、対戦相手のライフは3点残ってしまった。
次のターン、向こうはまた《猛禽》でアタックして2点と1ドロー。戦闘後に《変わり谷》をプレイすると《波使い》をプレイして、トークンを4つ戦場に出した。ターンエンド。僕は解決策を探すためにアップキープに《モーギスの軍用犬》に《タイタンの力》を唱えて、占術で《平地》をボトムに送ったけど、ドローステップに引いたカードは《剣術の達人》だった。僕は投了した。

ゲーム3
こちらが先手で、《ボロスのギルド門》スタート。対戦相手は《雲ヒレの猛禽》を唱えた。
僕は《平地》をプレイしてターンを渡した。相手は《潮縛りの魔道士》を唱えて《猛禽》を進化させる。そのまま攻撃して1点が入り、ターンが返ってくる。
《威名の英雄》を唱えてこちらのターンは終わり。相手は《変わり谷》からの《潮縛りの魔道士》で《雲ヒレの猛禽》を 2/3 に進化させると、ターンを渡してきた。
僕は《向こう見ずな技術》を《英雄》に貼って 6/3 にして、《天上の鎧》を追加して 9/6 にまで上げた。仕上げに《神々の思し召し》を唱えてプロテクション(青)を与えると共に 10/7 二段攻撃にすると、アタックしてゲームとマッチに勝利した。

まとめ
このデッキは恐ろしく速いゲームに持ち込む力がある。《剣術の名手》か、特殊な状況での《アクロンの空護り》と、適切なオーラ何枚か、の組み合わせがなければ4ターンキルは無理だと回してみるまでは思っていたけど、《威名の英雄》はワンパンで 20 点削れることがわかった。

《予言の炎語り》の“ドロー”能力は残念ながら一度も誘発しなかったけど、トランプルと《向こう見ずの技術》の組み合わせは明らかに相手にブロックをためらわせたし、1ゲーム目ではそれが致命傷になった。まあもしブロックしていたとしても、クリーチャーが2体死んでプレイヤーに7点入るんだから悪い筈がない。おまけに《炎語り》は生き残って次のターン以降も脅威になるのだから。

「ブラッドストライク」デッキでの《ゴーア族の暴行者》ほどのわからん殺し要素はないけど、それでもこのデッキも確かに予想外の角度から勝利を決める力を持っている。もし凶悪で前のめりで、何もない盤面から 20 点をたたき出すようなデッキを探してるんなら、是非こいつを試してみて欲しい。


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というわけで久々の翻訳記事は何故かスタンダード。おれも二段攻撃フェチなので、大いに楽しんで読みました。土地を見ればわかる通り「安いカードでスタンダード楽しもうぜ」的な趣旨の連載っぽいので、あまり細かい突っ込みは野暮かも知れません。

……というのを承知で書くと、《神々の思し召し》のスロットは《アジャニの存在》の方がいい気がする。まあ JOU のカードにまだ全部目を通せてなかったんだろうが。原文のコメント欄にも同じ突っ込みはあったんだけど、何故か「《至高の評決》にも効くじゃん!」みたいなことが書いてあった。いや、火力から守る時にオーラが剝がれるのが一番問題だと思うんだけども。

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いつもの奴忘れてた。例によって誤訳の指摘は歓迎します。今回ばばっと訳したんで訳注つけてませんけど訳があやふやな部分はもちろんありますので(キリリィッ 
カード名間違ってるとか、自分だったらこう訳すとか、そういうのでもいいです。お気軽にコメント欄にどうぞ。

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