ひさびさの翻訳。と思ったけどひと月半ぶりならそれほど久々でもないかも知れない。
デッキ分類やメタゲームの話。自分はプレリリース以外のトーナメント一切出ないのだが、この手の話は結構好き。

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原文:Metagames on the Macroscale | ManaDeprived.com
http://manadeprived.com/2012/04/metagames-on-the-macroscale.html
2012-04-20 Max Brown

マックス・ブラウンはニューヨーク州オルバニー在住のグラインダー(*1)。最近の主な成績は、グランプリ・ピッツバーグ 17 位、グランプリ・ボルティモア 25 位、グランプリ・プロヴィデンス 28 位。


近頃の“アグロコントロール”をめぐる議論に触発されて、僕もいろいろ考えてみた。どんなタイプのデッキが強いのか、それはいつ(およびどれほどの間)強いのか、そしてなぜ強いのか。僕は個別のカードの評価は抜きにして、時代を超えてこのアーキタイプの比較をして、それらに共通したパターンが見いだせるかどうかを検討し、さらには新しいフォーマットでどんなタイプのデッキが成功するかを予言することができるかどうかを試してみたいと思っている。
まずは現在の環境を把握することと、そこから僕が見てとれる事実をもとに仮説を構築することから始めてみたいと思う。僕が思うに、メタゲームを長期にわたって支配することができたデッキと、その環境でもっとも速いデッキやもっとも“パワフルな”デッキには明らかに本質的な違いがある。
この記事の目指すところはふたつだ:ひとつは特定のメタゲームにおいて読者がそれに適合したカードやデッキや戦略を選ぶ上での考え方の助けになること。もうひとつは、マジックプレイヤーたちがお互いに話をしたり議論したりする上での共通した認識や知識のベースをつくりあげること。

とりあえずスタンダードに話を絞ると、ここ4年でメタゲームを支配してきたデッキは「フェアリー」、「ジャンド」、「コーブレイド」(*2)、そして今の「デルバー」と移り変わってきた。そのうちの3つは一般的には“アグロコントロール”と呼ばれるデッキで、残る「ジャンド」はしばしば“中速”と言われていた(僕はでも、「ジャンド」は「フェアリー」やその他のデッキと肝腎なところでは似ていると考えている。つまりゲームをすみやかに終わらせることができるということだ)。全く予備知識がなければ、シーズンを通してもっとも活躍するだろうデッキは「一番速いデッキ」や一番“パワフルな”(多くの場合これは「一番速い」の別の言い方にすぎない)デッキに違いない、と予言することになるだろうけど、実際にはそうはなっていない。
僕が尊敬するプレイヤーたちの間でも、この現象に対する説明はまったくばらばらだ。ある人は“アグロコントロール”はマジックというゲームの構造上そもそも最強の戦略なんだというし、別の人は全く逆の主張をする。いわく、カードこそがデッキを作るのであって、デッキの強さというのはカードの強さ以上のものではない。「フェアリー」が強いのは《苦花》のおかげだし、「ジャンド」が強いのは《血編み髪のエルフ》のためだ、といった具合に。もちろんそれはある程度以上は真実だろう。でもそれは、ここ4年間繰り返されている現象を本当に充分説明できているだろうか。
僕たちに必要なのは、異なるフォーマットの間で、デッキの違いを考察することができるフレームワークだ。それはいま用いられているものよりももっと精密で、もっと一般的でなくちゃいけない。僕の考えでは、現在のモデルはメタゲームというものがどう機能しているかということをある程度までは理解する助けになっている一方で、同時により深い理解を阻害している。既存のぐちゃぐちゃになったアイデアや「“アグロコントロール”とはなにか」「“コンボ”とはなにか」に関する議論を回避するために、僕は思い切ってこれまで使われてきた用語の大半を捨てて、もっと具体的なことに焦点を当ててみたいと思う。デッキタイプの分類なんてものはあらゆる人が合意できて初めて役に立つのだし、それについての議論なんてのは本来あってはならないし、なによりわかりやすいものでなくちゃいけない。そして、どのデッキがどの分類に収まるかということははっきりしていなくちゃいけない。
まずは一番単純なモデルから始めてみて、それが僕たちになにかを予言してくれるかどうかを見てみたい。そしてその予言は物事を余計にややこしくするだけなのか、それともデッキ分類の新しい指標になるのかを確認してみよう。
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(*1) グラインダー
grinder。PV によると、「グラインダーは単に死ぬほどマジックをやりこんでいる人です。上手いか下手かは関係ありません。」とのこと。参照→http://drk2718.diarynote.jp/201108060211193316/ (#2 の最後の方)
(*2) コーブレイド
caw-blade。日本では普通カウブレードと書かれるが、おれのくだらないこだわりに従い今後もコーブレイドで通す。参照→http://drk2718.diarynote.jp/201108060211193316/ (文末の(*4))
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「制約 constraint」(*3)モデルの導入:
この分類では、デッキは「制約設定型」constraint-setting か「制約対応型」constraint-threading のどちらかに分類される。さて、制約設定型と制約対応型とはそれぞれ何を意味するのだろうか。これらの用語を適切に定義することと、その定義を完全に理解することとは、僕たちが目標としているパターンの発見のために非常に重要だ。ひとこと先に言っておくと、これから述べることは歴戦のトーナメント・プレイヤーには常識に近いことかも知れない。でもいずれにしても、定義の厳密さの度合いというのは大事で、最初に用語を開示してそれについてあらゆることを注意深く定義しておくことは、僕にとってはメタゲームの動きとその動きの理由を説明するために絶対必要なことなんだ。

制約設定型、あるいは非相互作用的なデッキは、環境の基本速度を決める。大抵の場合はコンボ・デッキか、直線的なアグロ・デッキだ。制約設定型デッキは引きに恵まれればしばしばとんでもない早さで対戦相手を葬ることができる。これらのデッキの持つ一番重要な要素は、これらのデッキこそが環境の速度を定めるのだということだ。Xターン目までにこれらのデッキに対して意味のある対応をできないデッキは生き残れない。このタイプのデッキの例としては、「《鍛えられた鋼》」(ゼンディカー−ミラディンの傷跡環境や、現在のスタンダード)、「親和」(禁止発表前および禁止発表後のモダン)、「ストーム・コンボ」(レガシー、モダン、旧エクステンディッド)、「吸血鬼」(ゼンディカー−ミラディンの傷跡のスタンダード)、「《猛火の群れ》感染」(禁止発表前のモダン)なんかが挙げられる。
“ランプ”系のデッキも制約設定型と言えるけど、どの環境にも存在するわけではないし、デッキのスピードも異なる。こういうデッキは妨害があっても勝ってしまうたぐいの速度を持っている。たとえば「ヴァラクート」(ゼンディカー−ミラディンの傷跡のスタンダード)や「《雲上の座》」(禁止前のモダン)デッキがこのタイプにあたる。このようなデッキが存在すると、環境の他のデッキは相手に干渉しながらも素早く勝つことを要求されるようになる(伝統的なコントロールデッキではしばしば対処できない類いの制約なのだけど、詳しくはまたあとで述べる)。これらのデッキに共通した特徴は相互作用を行わないように作られていることだ。制約設定型のデッキに入っているカードは大抵ひとつの役割だけに特化しているか、デッキ内の他のカードとの強力なシナジーがなければほとんど役に立たない。典型的なカードとして《はばたき飛行機械》や《炎の儀式》、《原始のタイタン》、《溶岩の打ち込み》なんかがある。
環境が研究されてくると、制約設定側のデッキはしばしば相手の妨害をする必要に迫られ、それによって弱くなっていく。スピードが落ちたりデッキの一貫性がなくなったりするからだ。昔ながらの相互作用のないデッキ、たとえば「ドレッジ」が相手の対策カードに対応しなければならなくなったところを考えてみよう。墓地対策カードへの回答となるカードをデッキに山ほど詰め込めば、相手がその対策を引かなかったとしてもデッキは満足に回らなくなってしまう。この効果は結構大きいので、デッキビルダーは変形サイドボードみたいな方法で対処しようとしたりする。

制約対応型、もしくは相互作用的なデッキは、フォーマットにおける制約をすり抜ける方法を探し、相互作用の中でアドヴァンテージを作りながら勝つ。制約対応型デッキには「ズー」(さまざまなフォーマット)のような一本調子ではないアグロ・デッキ、「ジャンド」(アラーラ=ゼンディカーのスタンダード)のような中速デッキ、「フェアリー」や「コーブレイド」のようなアグロ・コントロール、「5CC」(ローウィン=アラーラのスタンダード)や「青白コントロール」(アラーラ=ゼンディカーのスタンダード)のような伝統的なコントロールデッキなどが含まれる。これらのデッキに共通するのは、相手に干渉したり干渉されたりすることを望んでいて、その干渉を通してなんらかのアドヴァンテージ(大抵はカードかテンポだ)を稼ぎ出せるカードを選んで詰め込んでいる。制約対応型のデッキに入っているカードは単体でカードパワーが高いものか、対戦相手の脅威の回答になりつつ他にも付加価値のあるようなカードが多い。典型的なカードとしては《クァーサルの群れ魔道士》《剣を鍬に》《マナ漏出》や各種プレインズウォーカーが挙げられる。
でも、待って! 制約対応型のデッキは、自分たちが別の種類の制約をかけることはないんだろうか? たとえば「デルバー」デッキとの相性を向上させるために《はらわた撃ち》が使われるようなことはないんだろうか? もちろんある。だからこそ、メタゲームは毎週毎週うつろっていくんだ。マジックでは、あらゆるゲームはなんらかのレベルでは相互作用があると言えるのであって、このふたつのカテゴリの違いはそれぞれのデッキがなにをしようとしているかの差にすぎない。
一般的に、制約対応型のデッキを相手にする方が、制約設定型のデッキと戦うよりも厳しい(対応型の方がデッキの構造は孤立的で、シナジー抜きの純粋なパワーカードが多いからだ)。そのためメタゲームの進み方は少し遅くなる。時には対応型のデッキが強くなりすぎるために、オーダーメイドの対策カードが作られたり(《火山の流弾》《大貂皮鹿》《強情なベイロス》)、禁止カードが制定されたりする(後者は最近の潮流で、「コーブレイド」より前の制約設定型のデッキは殆ど禁止カードなんて出されることはなかった)。
そうすると、制約設定型のデッキはどうなってしまうのだろうか? 新しい環境の最初の週だけはめちゃめちゃ強くて、環境の理解が進むにつれて弱くなるんだろうか? そんなことはない(もちろん、非相互作用型のデッキは新環境のメタゲームではしばしば滅法強い。単純に強いデッキが組めるし、プレイヤーたちは対処方法をまだよく知らないからだ)。メタゲーム前線より相互作用寄りに進んでいくと、対応型のデッキは対応型同士の制約をより意識し始める。実は、そのようなメタゲームの状況はまさに制約設定型のデッキが一瞬だけふたたび活力を取り戻し、大活躍できるタイミングだ。最近では CFB が世界選手権に持ち込んだ「《鍛えられた鋼》」デッキがわかりやすい例だ。
こんなようなわけで、見たことのあるパターンが何度も繰り返される。相互作用的なデッキが長い間環境を支配し、非相互作用的なデッキが「当たりの週」にその支配をぶっ壊す。また、環境が大きく変わった時にも非相互作用的なデッキは旬を迎える。相互作用的なデッキは試行錯誤しながら新しい環境の制約を探る段階に戻ってしまうからだ。僕はこのパターンは基本的にはあらゆる“健全な”メタゲームに当てはまるのだと思っている。もし非相互作用的なデッキが環境を支配したら、禁止カードが発表されるまでそう長くはないだろう(ウィザーズ社の研究開発部の振る舞いはそのようにプログラムされている)。もし特定の相互作用的デッキがあまりにも強すぎて、非相互作用デッキがそれを打ち破れず、「当たりの週」すら作ることができなくなったとしたら、それは不健全なメタゲームというべきで、たとえばコー・ブレイドの支配はそれにあたる。
健全な環境は複雑なメタゲームへ向かっていく傾向にある。最初はどんな環境も単純な制約があるだけだが、そのうち相互作用的なデッキがいろいろなカードを試したりメタったりしていって、それが環境の複雑度を増していく。推測だけど、同じ環境が充分に長く続けば僕たちは(多変量の)円環状のパターンが生じたり、複雑性が有界であることを見ることができるだろう。現実には一定の頻度で新しいカードが刷られるため、“本当は”なにが起きるのかという問いには答えはない(でも、とてもわくわくする問いだと思う)。
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(*3) 制約
併記した通り、原文では constraint。そもそも馴染みのない単語だけど、辞書的な意味は「制約」「拘束」などで、全く頭を抱えてしまった。読み進んでいってもらえれば判るとおり、ここでの constraint は昔の理論でいう「基本ターン (fundamental turn)」やいわゆるキルターンに関連する概念で、デッキというのはその制約を設定する側とそれをすり抜ける側とに大別できる、という考え方が展開されている。結局しっくり来る訳を思いつけずに直訳で「制約」としてしまったが、なにかいい代わりを思いつく人がいらしたら教えてください。この単語こそがこの文章の肝なので、なんとか上手い言葉をあてたいのだが。
余談だけど、この単語を見て《集団監禁/Collective Restraint》を思い出したのだけど、辞書で constraint を引いたらほんとに「関連する語」という項目に restraint が出てて面白かった。意味も似たようなもんだった。
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規模別メタゲームの導入:
最後に僕が導入しようと思う概念は「規模別メタゲーム」で、僕たちプレイヤーが環境に対してとれる行動をスケール別に分けたものだ。これは制約モデルが現実世界にどのようにはまるのかを理解するためのより大きな枠組みだ。単純に言えば、「メタゲーム」のプレイヤーたる僕たちには、いくつかのレベルの“行動”がとれる。カードを変えるか、デッキを変えるか、それともいつプレイするかを変えるか、という具合に。そしてそれぞれの“行動”は、それぞれ違うスケールの思考に対応している。

カードの相互作用:小さなスケール(ここでは個々のカード選択とその選択がゲーム内で引き起こす相互作用のことを論じる)
このレベルの考え方は僕たちにとって身近なもので、毎週毎週僕たちはよく当たるだろう仮想敵に対してデッキを調整するという形でこれを実行している。たとえば《幻影の像》がたくさん使われているだろうから「《出産の殻》」デッキから《スラーン》を抜くとしたら、それが小さなスケールでのメタゲームだ。「デルバー」デッキでの《はらわた撃ち》を増減させることも同じことだ。この類の短期的な調整のおかげで、相互作用的なデッキは特定の環境で繰り返し勝ち続けることができる。そしてその同じ調整が、非相互作用的なデッキのつけいる隙を作り出す。(*4)
僕がこのカテゴリの思考で大事だと思っているのは、マッチアップというのが固定されたものだとは考えずに、流動的で変化し続けるものだと考えるべきだということだ。相互作用的なデッキは、周りに応じて構成を変え続けることで非相互作用的なデッキと戦う力を得ている。イメージとしては、地面に穴ぼこがたくさん空いていて、そのひとつひとつが違った種類のデッキで、それを埋めなきゃいけないけど全部の穴を埋めるだけの土を持ち合わせていない、という状況だ。もし新しい穴を塞ごうと思ったら、すでに埋めた穴から土を出してきてその新しい穴に放り込まなきゃならないってわけだ。「最強のデッキ」とは、つまり土をたくさん持ってて、多くの穴に多くの土を放り込めるデッキを想像するだろう。でも実際には「あるトーナメントにおける最良のデッキ」は、もっと土は少ないけれど埋めるべき穴をピンポイントにしっかり埋めている、というようなデッキだ。これについて考え始めたということは、つまり僕たちの考えは一歩進んでいて、すなわちそれはスケールがひとつ上がることを意味する。
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(*4) そしてその同じ調整が、非相互作用的なデッキのつけいる隙を作り出す。
難しい。原文は It is also this same tweaking that creates the inefficiencies for non-interactive decks to exploit. だから「その同じ調整が inefficiencies を作り出す」ってとこまでは間違いようがないんだけど、for non-interactive decks to exploit とはどういうことか。exploit は他動詞しかないので、たぶんその目的語が inefficiencies になる。だとすると普通なら inefficiencies that non-interactive decks ... になるべきところで that 〜 that がいやだったから for にしたみたいなことか? 
という感じで作った訳文なので翻訳というより単なるおれ解釈。
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予言されるメタゲーム:中規模のスケール(これがつまり僕たちが普段“メタゲーム”という言葉から想像する概念——特定のトーナメントにおいて、対戦相手がどのデッキを使ってくるか、という予測だ)
これは僕たちが、特定のデッキに対する相性がミクロスケール、すなわち対策カードを入れる程度ではどうにもできないから使うデッキを変えよう、というレベルのスケールの思考だ。このレベルの思考には人脈がかかわってきたりする。あるトーナメントに出るのにどんなデッキがよさそうか、あるいはまずそうか、友だちと相談するのは単純に役に立つ。ソーシャル・ネットワークの活用や MO の結果チェック、ネットでデッキリストを探すこと、どれもデッキ選択を助けてくれる。しかし誰もが自分と同じレベルで考えるだろうと思いこんでしまうのは落とし穴だ。プロツアー予選やグランプリでは、多くのプレイヤーは直近の大きなトーナメントで優勝したデッキや、それほどお金をかけずに組めるデッキを深く考えずに使っていたりする。だからあまり深読みしすぎない方がいい。このスケールのメタゲームに関しては素晴らしい記事や情報がたくさんあるから、参考にしてみるといい。

繰り返されるメタゲーム:巨大なスケール(前述の「制約」モデルが動かすレベルで、どのようなデッキがどのタイミングで強くなるかを教えてくれる)
このレベルで考えることによって、僕たちは限られたリソース(プレイテストの時間や、カードを調達する能力)をもっとも効率よく成功確率の高いデッキタイプにつぎ込むことができる。たとえば、全く新しい環境(スタンダードのブロックが入れ替わるタイミングとか)でのプレイテストをするためには、制約モデルでいうところの非相互作用的なデッキを出発点にするべきだ。これは下のふたつのレベルの情報を切り捨てていいということではない。僕たちの最終的な目標はこの3つのレベルからそれぞれ得られる情報を統合してデッキ選択に役立てることで、個々のレベルを「マスター」することじゃない。制約モデルがある程度予言可能なのはウィザーズ・オヴ・ザ・コースト社の研究開発部の意図通りだってことを忘れないように——彼らはいまのところ相互作用的なデッキが好きで、非相互作用的なデッキの支配があまり続くようだと禁止カードを設定できる、みたいなことをね。でも、現時点での“体制”がおそらく近い将来に変わることはないだろう。だからあまり心配する必要はないと思う。

これを読んだら:
この記事がわずかでも読者の思考を整理する助けになって欲しいと思う。ここに書いてきたことはある程度以上のプレイヤーなら当たり前に意識していることだろうけど、でもこうやってあらためて書き出してみることによって、より理解は深まるし、考え方を修正しやすくもなる。メタゲームってものがどう振る舞うかについての憶測を修正できれば、正しいデッキ選択に一歩近づいたことになる。特にめまぐるしく動くスタンダードのメタゲームでは大いに役に立つと思う。このような考え方を作り上げてきたことは僕のプレイヤーとしての強みのひとつだと思っているし、これまでに考察や経験から学んできたことを分かちあうことに興奮している。

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なにかもう少し面白くなりそうな予感に満ちているけど、この記事自体はそこまで新しいことは言ってない、って理解でいいのかな。
いつもの通り、誤訳の指摘は歓迎します。「自分ならこう訳す」みたいなのでもいいです。コメント欄にお願いします。自分はプレイヤーとしては平均以下なので、このような記事だと誤読や誤解も普段より多いかも知れません。

コメント

竜英傑、蛹
2012年5月28日23:48

>制約(constraint)
敢えて別の言葉にしますなら、環境の速度を決めるという意味合いで「上限or下限」とか「限界」とか?
これは難しいですね…

まひろ
2012年5月29日0:51

初めまして。いつも翻訳記事ありがたく見させていただいています。リンクさせて頂きました。

>constraint
マクロでconstraintでモデルでなんて単語が並ぶと、経済学の文章のように見えます。
その手の分野でもconstraintは制約と訳すので、自分としてはこれでしっくりきます。

DN上でも「制約設定型」を「環境定義」と言い換えて同様の理論は見かけたことがあります。
非常に今後の議論が気になるところです。今後の翻訳にも期待しています。

高潮の
2012年5月29日23:23

ありがとうございます。速度は確かに主な要素なのですが、しかし constraint のすべてではないのです。速度なら速度という言葉を使うでしょうし。そこが難しいところです。

高潮の
2012年5月29日23:24

はじめまして。コメントありがとうございます。リンクはご自由にどうぞ。

なるほど経済学ぽいですね。途中で多変量とか有界なんて言葉がさらっと出てきてる(しかも本筋と関係ない)辺りも含めて、ブラウン氏は数学ないし数学を応用する分野の素養があるのかな、という印象です。
ここから議論が発展してくれると楽しいのですが、自分の知る限りではレスポンスらしい記事は見受けられません。今後に期待したいところです。

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